こどもの口臭 原因はどこにあるのか?
子どもの口臭の主な原因は口呼吸?
意外に思われるかもしれませんが、子どもの口臭の原因として一番多いのは「口呼吸」です。文字通り、口で呼吸する習慣が口臭を引き起こしやすくなります。
口呼吸で何が起こるの?
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お口が乾燥して細菌が繁殖しやすくなる
口呼吸が習慣になっていると、お口の中が乾燥します。唾液による抗菌作用や殺菌作用が弱まり、細菌が繁殖しやすくなるため要注意です。これが口呼吸と口臭の最も直接的な関連性といえます。
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口呼吸で歯並びが悪くなる
口呼吸をしていると、顎の筋肉や骨の発育が悪くなり、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足します。その結果、清掃性が悪くなり、お口の中が不衛生になり、口臭が発生してしまうのです。
どうして口呼吸になるの?
口呼吸が口臭の発生に結びつくことはお分かりいただけたかと思いますが、そもそもなぜ口呼吸になるのか、不思議に思われている方も多いことでしょう。
歯並び・かみ合わせに異常がある
口呼吸になる主な原因としては、歯並び・かみ合わせの異常が挙げられます。具体的には、出っ歯や開咬(かいこう)などの症状があると、自然に口が開いてしまい、口呼吸が誘発されます。これは矯正治療を受けなければ改善が難しいケースといえます。
アレルギー性鼻炎や鼻づまり
アレルギー性鼻炎のように、慢性的な鼻づまりの症状があると、鼻で呼吸するのが難しくなります。まずは耳鼻咽喉科を受診して、適切な治療を受けましょう。
アデノイド肥大
小さなお子さまで認められやすい異常に「アデノイド肥大」というものがあります。鼻の奥の方にあるリンパ腺が腫れる病気で、鼻呼吸が困難となります。口呼吸が誘発され、アデノイド顔貌と呼ばれる独特な見た目を呈するようになるため要注意です。重症例では、肥大化したアデノイドを外科的に切除することになります。
その他の子どもの口臭の原因
ここでまでは、口呼吸に由来する子どもの口臭の原因について解説してきましたが、その他にもいくつか気を付けなければならない症状や病気、習慣などがあります。
むし歯や歯肉炎
むし歯になると、口臭が発生することがあります。これはむし歯によってできた歯の穴に、食べかすやプラークなどがたまるからです。重症化したむし歯では、歯の神経や血管にまで感染が及び、さらに強い臭いを放つようになります。
次に、歯肉炎(しにくえん)に関してですが、これは比較的軽度の歯周病です。歯周病というと、高齢の方がかかる病気と思われがちですが、子どももかかることがあります。歯肉炎を発症すると、歯ぐきが赤く腫れるだけでなく、歯周病菌が作り出すニオイの物質によって口臭が生じることもあるのです。
ストレスによる唾液分泌の低下
口臭は、ストレスや疲労がたまることでも発生しやすくなります。心身に大きな負担がかかると、唾液の分泌が低下して、自浄作用や殺菌作用が期待できなくなるからです。その結果、細菌の活動が活発化して口臭が強くなります。これもまた子どもでも起こり得る現象のひとつです。
ニオイの強い食品の摂取
ニンニクやキムチといったニオイの強い食品を口にすると、当然のことながら口臭が発生します。これはあくまで生理的口臭の範囲内なので、それほど心配する必要はありません。
子どもの口臭を予防・改善する方法
子どもの口臭は、原因に応じた解決法を採ることが大切です。
口呼吸の改善
お子さまに口呼吸が認められる場合は、口臭の有無にかかわらず、鼻呼吸へと移行するよう促しましょう。言葉で伝えてもなかなか治らない場合は、当院までご相談ください。口呼吸を改善する方法はたくさんあります。
歯並び・かみ合わせの治療
子どもの口臭は、異常な歯並び・かみ合わせが原因となっていることが多いため、小児矯正を受けることが推奨されます。歯並びの問題が解決すれば、自ずと口臭も発生しにくくなります。ケースによっては、口呼吸も同時に改善できます。
鼻やのどの病気を治す
アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大などが認められる場合は、耳鼻咽喉科で治療を受けましょう。口臭の根本的な原因が取り除かれることで、ニオイが気になることもなくなります。
お口の中を清潔にする
子どもの口臭を予防するためには、常にお口の中を清潔に保つ必要があります。歯医者さんで正しいブラッシング法を学び、それを毎日の口腔ケアで実践しましょう。
まとめ
このように、子どもの口臭はいくつかの原因が考えられますので、まずは専門家に診てもらうことをおすすめします。当院までご相談いただければ、口臭の原因を突き止めた上で、最も有効な改善方法をご提案できます。