よくあるお悩み FAQ

予防歯科の考え方が普及して、むし歯になる人は年々減ってきています。それでもやはり、むし歯になる人は少なくありません。とくに子どもは大人よりもむし歯になりやすいため、十分な注意が必要です。ここではそんな子どもがむし歯になった場合にどう対処すべきか、また再発を防ぐためには何ができるのか、わかりやすく解説します。

そのうち大人の歯に生え変わるから…

子どもの歯がむし歯になった時、「そのうち大人の歯に生え変わるから」という考えで、何もせず放置してしまうケースがあります。これはとても危険なことなので、絶対にやめるようにしてください。

乳歯のむし歯を放置するとどうなる？

乳歯のむし歯を放置すると、さまざまなトラブルが生じます。

• 他の乳歯もむし歯になる

  乳歯は、むし歯のリスクが高いため、周囲の乳歯にも感染が広がりやすくなっています。放置すると複数の歯がむし歯になることもあるので要注意です。

• 永久歯の発育が悪くなる

  乳歯のむし歯を放置すると、すぐ下に控えている永久歯の発育を悪くすることあります。乳歯の根の先から細菌などが漏れ出て、永久歯に悪影響を及ぼすからです。永久歯が生えてくる前にむし歯になってしまうこともあるため要注意です。

• 歯並びが悪くなる

  乳歯がむし歯によって早い段階で抜け落ちると、永久歯が正常に生えてくるためのスペースが不足します。その結果、歯並びが悪くなることもあるのです。

乳歯のむし歯はすぐに治療を受ける

上述したように、乳歯のむし歯を放置して良いことはひとつもありません。むし歯が認められた時点で、すぐに当院までご連絡ください。乳歯のむし歯は進行も早く、受診が送れると病態がどんどん悪くなります。

なぜ子どものむし歯は進行が早いの？

乳歯は、永久歯よりも歯質が未成熟です。酸に対する抵抗力が低く、歯質の溶解速度も速くなっているのです。しかも、乳歯のエナメル質と象牙質は、永久歯の半分の厚みしかないことから、一度むし歯になるとあっという間に歯の神経まで到達してしまいます。

むし歯になりやすい理由は？

乳歯がむし歯になりやすいのは、歯質が未成熟であり、厚みも永久歯の半分しかいない点が大きく関係しています。さらに、歯並びが安定しなかったり、ひとり磨きを習得するのに時間がかかったりすることなども、乳歯がむし歯になりやすい原因として挙げられます。

むし歯の再発を防ぐ方法

むし歯になるということは、必ずその歯に何らかの問題があります。一般的には、ブラッシングが不十分で磨き残しが多くなることが原因です。そのため、むし歯の再発を防ぐには、正しいブラッシング方を改めて身に付けることが必要です。

歯医者さんでブラッシング指導を受けよう

当院では、お子さま一人ひとりに最適といえるブラッシング方をご提案しております。とくにむし歯になった部分の磨き残しがなくなるよう、徹底したブラッシング指導を実施します。そうして学んだ歯磨きの方法を毎日のセルフケアで実践していきましょう。

サリバテスト（唾液検査）を受ける

サリバテストとは、唾液を採取して、その成分を調べる検査です。とても簡便な検査ですが、短時間で以下に挙げるようなことがわかります。

• お口の中に住み着いている細菌の種類、数
• 唾液の緩衝能（酸性を中性に戻す力）
• 唾液の分泌量

こうした情報が得られると、むし歯のかかりやすさもわかり、それぞれに最善といえる予防法をご提案できます。

フッ素で歯を強くする

乳歯はもともと未成熟であるため、フッ素によって強化する必要があります。フッ素入り歯磨き粉を活用する他、歯科医院でのフッ素塗布も定期的に受けるようにしましょう。フッ素によって歯の再石灰化現象が促されることで、むし歯の再発リスクが低下します。

食習慣にも気を配る

予防処置をしっかり受けていても、食生活に問題があるとむし歯の再発リスクも上昇します。甘い物を食べすぎたり、間食が多くなったりすると、むし歯菌の活動が活発化します。その結果、せっかく治した歯が再びむし歯になってしまうのです。

初期のむし歯は削る必要がない？

発生して間もないむし歯は、歯を削らずに治せることが多いです。専門的には、初期う蝕（しょきうしょく）と呼ばれるもので、歯の表面に白濁したシミが現れます。歯に穴は開いていません。この症状なら、親御さまが毎日しっかりチェックしてあげることで、早期に発見できます。初期のむし歯が認められたらすぐ当院までご連絡ください。フッ素塗布によって歯の再石灰化を促し、むし歯の進行を停止します。

子どものむし歯を予防することが何より重要

子どものむし歯の再発を防止することは重要ですが、出来ればむし歯にならないよう、予防処置を徹底しましょう。むし歯は自然に治らない病気です。しかも、むし歯菌に溶かされたり、治療で削ったりして失った歯質は、もう二度と元には戻らないのです。それだけに、早期発見・早期治療することはもちろんのこと、予防することが何よりも賢明な方法といえるでしょう。

まとめ

このように、子どものむし歯が見つかったら、すぐに歯医者さんの治療を受けましょう。むし歯の再発を防ぐためにも、治療後は定期的に歯科検診を受け、お口の健康状態を維持・向上することに努めることが大切です。当院であれば、そのお手伝いができます。